スーパーマン リターンズ
女性のハートわしづかみに
“恋に落ちた…”、見終わってそういう感覚にとらわれる映画がどれほどあるだろうか。
突然姿を消したスーパーマン(ブランドン・ラウス)が5年を経て地球に帰ってきた。待っていたのは、愛するロイス(ケイト・ボスワース)に息子が生まれ、恋人がいるというつらい現実。宿敵レックス(ケビン・スペイシー)も刑務所を出所し、邪悪で破壊的な悪事を企んでいた。
地球を救うべく死力を尽くして戦うスーパーマンには誰しも手に汗握るだろう。ハンサム、最強、優しく、とすべてを兼ね備えたヒーローが、ただ一つの恋を成就できずに苦悩する姿や、夜空のかなたで一人切なさに耐える姿は間違いなく女性のハートをわしづかみにするはずだ。これは究極のラブストーリーなのである。
監督は「X―MEN」第1作と第2作のブライアン・シンガー。スペイシーが楽しんで悪役を演じているのも好ましい。(2006年9月21日・杉尾久)