プラダを着た悪魔
ハサウェイがすてきに変身
ジャーナリスト志望の社会人一年生が、畑違いのファッション雑誌出版会社で働くことになる。出版業界にその名を響かせている鬼編集長の下で働けば、おのずと有名誌へのステップアップも可能、との胸算用で。
ファッションに興味がないのにファッション業界に足を踏み入れた女性が、今まで必要としていなかった「装う」ということで新しい自分に目覚める。美しく変身した主人公アン・ハサウェイのなんとすてきなことか。
この作品が面白いのはそこだけではない。女性が仕事にハマると、それまでの人間関係がギクシャクする、というどこにでもある話が絡んでくる。主人公を自然と応援したくなるのは彼女のかわいさからだけではなく、女性なら一度はこんな思いをしたことがあるはずだから、ではないだろうか。
鬼編集長にはメリル・ストリープ。軽くオシャレな作品だが、彼女の目の演技には彼女らしさがあふれていた。(2006年12月7日・手塚)