フライトプラン
飛行機の中で姿を消した娘
子どもを持つ母親であれば一度や二度は経験があると思う。今まで一緒にいた子どもが突然姿を消し、心臓が破裂しそうになったことや、子どもの帰りが遅く、もしや誘拐、交通事故? と恐怖でパニックになったことが。これは母親の体験するあの恐怖をサスペンスに作り上げた新鋭ロベルト・シュヴェンケ監督の映画である。
母親と一緒にジャンボ旅客機に乗った6歳の娘が、母親が眠っている間に姿を消す。高度一万㍍上空の密室で何が起きたのか?
「初めから娘は乗っていなかったのではないか?」と母親は乗務員や乗客からも疑われる。本当に娘はどこへ消えたのか?
ジョディ・フォスターの迫真の演技は観客をぐいぐい引っ張って目が離せない。つじつまの合わない謎解きも多少は気になるが、そんなこともすべて許してしまえるほど、母親の愛は美しくたくましい。幼児を持つ母親にはぜひ見ていただきたい作品である。(2006年2月9日・林田)