リトル・ミス・サンシャイン
バラバラの家族 旅を通じて再生
アリゾナに住むフーヴァー家は成功論者のパパと沈黙を続ける長男、美少女コンテスト優勝を夢見る九歳の妹オリーヴ、ヘロイン中毒の祖父、ゲイで自殺未遂の伯父、崩壊寸前の家族を支えるママの六人家族。ある時、オリーヴの「リトル・ミス・サンシャイン」コンテスト決勝への出場が決まる。一家は壊れかけた黄色のワゴン車で開催地カリフォルニアを目指す。
バラバラになった家族が旅を通じて再生する物語である。監督のジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス夫婦は無名だったが、全米公開時に口コミで話題になりヒット。アカデミー賞オリジナル脚本賞と祖父役のアラン・アーキンが助演男優賞を受賞した。
どこがそれほどアメリカ人の心に響いたのか。それは掛け替えのない「家族」を再認識させてくれるところである。深刻なテーマを扱いながら湿っぽくならない脚本が成功に導いた。笑って感動して元気になりたい方にお勧めの作品。(2007年4月5日・酒井)