デジャヴ

息つく間もないSFサスペンス

案外あるようでないのが、最後まで退屈させずに一気に見せる娯楽映画。まさしくこの作品は息つく間もないSFサスペンスアクションである。

若く陽気なアメリカ海兵隊とその家族がフェリーに乗り込む冒頭の華やかなシーンから物語は始まる。「聖者の行進」の生演奏が軽やかに流れる中、フェリーは岸を離れていく。その直後、フェリーはある事件に巻き込まれていく。現場に駆けつけたデンゼル・ワシントンふんする捜査官のダグはある美しい女性の死体を見て、いつかどこかで会ったことがあるような感覚を覚える。これを「デジャヴ」（既視感）と言うのだそうだ。

現在と過去が行き交うストーリーがその後展開していく。時空を超えたカーチェイスは意表を突き、大いに楽しめる。多少物語につじつまが合わなくてもいい。派手な演出も見どころの一つである。監督は「トップガン」でブレークしたトニー・スコット。（2007年4月12日・林田）