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シネマ1987online

ロッキー・ザ・ファイナル

心をとらえる作り手の真情

シルベスター・スタローンの当たり役「ロッキー」シリーズの最終章。ボクサーを辞め、過去の思い出にすがって生きるロッキー。だが、33戦無敗の若きヘビー級王者と対戦すべく再びリングに上がる。

監督・脚本・主演のスタローンは現在60歳。シリーズ第1作の登場からは数えて30年。フィクションとはいえ、むちゃな筋立てにのけぞってしまう。さすがに試合はエキシビション・マッチの設定だが、寄る年波は顕著の感。ビル・コンティの名曲を背につづられるおなじみの練習シーンにしても、ヨタヨタした走りには思わず目を覆いたくなる。

だが、映画には作り手の真情がこもっている。いくつになっても自分をあきらめず、可能性を探ろうとする主人公の姿はフィラデルフィアの風景とともに見る者の心をとらえる。団塊の世代だけでなく、多くの者にファイトを与えてくれる映画だ。(2007年5月3日・小野)

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