消えた天使
鬼才ラウ監督の米デビュー作
「これが本当に人間の所業なのか?」と目を覆いたくなる犯罪が存在する。その残虐性、異常性に触れた時、犯人の心の闇をのぞいた時、そこにもしあなたがいたら? 人間だからこそ犯し得る過ちは、たぶん異常者だけのものではない。
18年間、性犯罪登録者の監視を続けてきた監察官エロル・バベッジ(リチャード・ギア)は、後任となる若い女性監察官アリスン・ラウリー(クレア・デインズ)の指導を任される。ある日、十代の少女の誘拐事件が発生。バベッジは彼が監視を続けていた登録者の誰かがこの事件に関与していると確信する。バベッジのあまりに強引なやり方にアリソンは反発を抱くが、いやおうなく、登録者たちの闇の世界へと足を踏み入れていくことになる。
「インファナル・アフェア」三部作を撮った香港の鬼才アンドリュー・ラウが米国で監督した作品。善と悪に揺れる主人公は「インファナル…」と共通点がある。(2007年9月27日・手塚)