エディット・ピアフ　愛の讃歌

シャンソンと大人の恋描く

47歳の若さで亡くなったシャンソン歌手エディット・ピアフの歌と愛の生涯を描いた映画。

両親に見捨てられたピアフは祖母に預けられ、その後、大道芸人の父親に引き取られる。彼女は道端で歌い、稼ぐようになるが、やがて歌手として大成功を手にする。30代を迎えたころ、世界チャンピオンのボクサー、マルセル・セルダンに巡り合い、生涯の愛人となる。偉大なピアフが少女のように目を輝かせ、ほおを染めてかわいらしい。しかし、彼を飛行機事故で失う悲劇が彼女を襲う。ピアフは酒と薬におぼれ、体も壊すが、彼との思い出を高らかに歌い上げた「愛の讃歌」は大ヒットし、今でも世界中で歌い継がれている。

女優マリオン・コティヤールはピアフそのものになりきって熱演。全編に流れる歌はピアフ自身が歌っている。監督・脚本はオリビエ・ダアン。久々にフランスらしい大人の恋の映画に作り上げている。（2007年10月11日・林田）