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シネマ1987online

椿三十郎

黒澤監督の傑作忠実に再映画化

黒澤明監督、三船敏郎主演でおなじみの傑作時代劇の再映画化。森田芳光監督が主演に織田裕二を据えて挑んだ。

オリジナルは「用心棒」の続編と言える作品で、前作で「桑畑三十郎」と称した主人公が今度はツバキの花を見て「椿三十郎」と名乗る。黒澤作品でも一番の軽さとユーモアを持つ一作で、山本周五郎の「日日平安」を基に黒澤自身と菊島隆三、小国英雄が脚本を共同執筆。今回の映画化ではその脚本をせりふもまったく同じに踏襲。上役の不正を暴こうと集まった九人の若侍の前に、のっそり現れた三十郎がへまばかりする侍たちにあきれながらも、力になる話はやはり面白い。いかに元の脚本が秀でているかが分かる。

三十郎役の織田も三船ほどのすごみはないが、健闘している。ラストの決闘シーンなど同類への「敬意」が感じられる森田演出も悪くない。オリジナルを忘れて見れば、十分に楽しめる娯楽作である。(2007年12月6日・小野)

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