墨攻
10万の軍相手に知略尽くす男
中国の春秋戦国時代に、博愛主義の「兼愛」と、専守防衛を唱える「墨家」という集団がいた。
大国・趙の攻撃で陥落寸前の小国・梁は、その墨家に支援を請うが、やってきたのは革離(アンディ・ラウ)という男ただ一人。果たして男は本当に墨家の一員なのか。そして彼は趙の猛将・巷淹中(アン・ソンギ)率いる十万の軍を相手に、四千人の住民だけで梁の城を守りきることができるのか。
これらの興味で引きつけられるエンターテインメントだが、革離が知略を尽くして防衛するあの手この手が実に面白い。不利な状況を逆手に取り、活路を見いだしていくあたりはビジネスマンに限らず、広く私たちの仕事や生きていく上での指針ともなるだろう。
俳優陣の名演と迫力あるアクションを楽しみながら、教わることも多い映画だ。原作は酒見賢一の小説を漫画化した森秀樹の作品。監督はジェイコブ・チャン。(2007年2月22日・小野)