魔法にかけられて
奇抜な発想の愉快な作品
もしもディズニーアニメの主人公が現実の世界に現れたとしたら? これはその奇抜な発想を映画にした愉快なラブコメディーである。
おとぎの国の美女ジゼルはエドワード王子と出会い、恋に落ちる。だが、悪い女王は義理の息子の王子が彼女と結婚すると、王座が奪われるのではと恐れ、魔法でジゼルを井戸から現実の世界に突き落としてしまう。
気づくとジゼル(エイミー・アダムス)はおとぎの国の「アニメ」から「実写」の人間として登場。勝手の分からぬ現実世界で弁護士のロバート(パトリック・デンプシー)のやっかいになり、王子の助けを待つ。彼女は次第にロバートの方にひかれ始める。
天真らんまんなジゼルが楽しい。現実世界では精神障害者に思われたり、掃除の時、おとぎの国のならいで動物たちを手伝いに呼ぶと、ハエやドブネズミが来たり。スパイスも効いて大いに笑える快作だ。監督はケヴィン・リマ。(2008年3月27日・小野)