マイ・ブルーベリー・ナイツ
ビジュアルと音楽おしゃれ
「恋する惑星」「花様年華」のウォン・カーウァイ監督が挑む初の英語作品。恋人の浮気により失恋し、傷心のままカフェにたたずむエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、マスターのジェレミー(ジュード・ロウ)との新しい恋の予感を覚えつつも、心の傷を癒やす当てのない旅に出る。
売れ残りのブルーベリーパイ、持ち主が現れることのないビンいっぱいの鍵。おしゃれな小道具と音楽がスタイリッシュな雰囲気を醸し出しているが、ミュージッククリップのような映像は見る者を選ぶかもしれない。
失恋の傷を早く癒やしたいと焦るあまり、次のステップへと行き急ぐのはよくあること。しかし、時間をかけてその傷に向き合うのも一つの方法だろう。回り道をしたエリザベスと、待ち続けたジェレミー。2度のキスシーンを見比べてほしい。ビジュアルが秀逸なのはもちろん、求める答えに行き着いた2人の自信が感じられる。(2008年4月17日・のだ)