僕の彼女はサイボーグ
胸が熱くなる愛すべきSF
たわいのないお話だと言ってしまえばそれまでだが、最近よくある時空を超えたピュアなラブストーリーで、見る者を引きつけて離さない。
主人公のジローは恋人もいない寂しい大学生。そんな彼の寂しい誕生日に、ちょっと変わった女の子がこつぜんと現れた。美しい彼女は未来から送られてきたサイボーグ。デパートで服を盗んでは身に付けていくうちに、見る見るかわいい女の子に変身する。目を見張るジローの驚きが画面から伝わってくる。
「猟奇的な彼女」(2001年)で有名な韓国のクァク・ジェヨン監督が日本映画に挑んだ意欲作。かわいくて強いサイボーグに綾瀬はるか、頼りない大学生に小出恵介。これ以上の配役はないと思えるほどの2人の好演が映画を見事にささえている。
未来と今とを行き来するうそくさい話だと思いつつも、つい引き込まれて涙で胸が熱くなる。そんな愛すべきSF映画である。(2008年6月26日・林田)