奇跡のシンフォニー
両親探す少年感動的に描く
「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア主演。音楽の持つ果てしない可能性をファンタスティックに描いた感動作である。
養護施設で暮らすエヴァンは名前も知らない両親といつか巡り会えると固く信じていた。エヴァンの両親は、新進チェリストのライラとロックミュージシャンのルイス。ライラの将来を期待する父親により引き裂かれ、エヴァンの存在を知らぬまま、失意の中で音楽への情熱を失っていた。ある日、音に導かれるようにエヴァンは両親探しの旅に出る。
たぐいまれな音楽の才能に恵まれながらも、エヴァンの願いは自分の奏でる音がいつか両親に伝わることだけ。そのひたむきさには奇跡を願わずにはいられない。そして運命の糸を手繰るように引き寄せられていく3人。刻々と近づく再会の時が交響曲の美しい調べと共に心を揺さぶる。「信じていれば願いはかなう」。直球のメッセージが胸に残った。(2008年7月10日・のだ)