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シネマ1987online

クライマーズ・ハイ

未曾有の事故 激動の1週間

1985(昭和60)年8月12日、日航ジャンボ機が墜落し、死者520人を出す大惨事が起きた。この映画は未曾有の大事故を追う地方新聞社の記者たちの激動の一週間を描いたものである。

記者の悠木(堤真一)は山登りに出掛けようとしていた矢先、上司に呼び止められ、事故の全権デスクを命じられる。彼を待っていたのは事故の報道を巡る社会部や販売部との対立と激しいスクープ合戦だった。だが悠木は新聞で「真実」を報道するために全力を傾けていく。

横山秀夫のベストセラー小説の映画化。主人公がさまざまな困難に遭いながらも紙面を作り上げる過程が実にスリリング。「クライマーズ・ハイ」とは登山時における極度の興奮状態を言うらしいが、事故報道の紙面制作と登山時の体験が重なってくる主人公はもとより、観客の興奮も高まるばかり。原田真人監督が迫力十分に映像化した力作である。(2008年7月24日・小野)

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