アフタースクール
練られた脚本 出演者も好演
よほどの人でないと、きちんとだまされる。登場人物が込み入っていて、誰がいい人なのか、悪いヤツなのか、途中で困惑してしまう。しかし、息をのんで見終わってしまえば「なんだ、そうだったのか!」と、ほのぼのとしたうれしさが込み上げてきて、幸せに浸れること請け合いの作品である。
2005年のカンヌ映画祭で数々の賞を取った「運命じゃない人」の内田けんじ監督が納得のいくまで脚本を練って作り上げた新作。主役の大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人の三人がそれぞれの個性を発揮した好演を見せ、常磐貴子も美しい。コミカルな中にスパイスが利かせてあり、最後にはラブストーリーであったことに気付かされる。
アフタースクールとは、学校を卒業したすべての大人たちへ贈る「放課後」のことなのかもしれない。決してストーリーを明かすわけにはいかない作品なので、ぜひ期待して劇場まで足を運んでいただきたい。(2008年8月21日・林田)