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シネマ1987online

おくりびと

主演の2人が心込めた演技

「人は皆いつかは死ぬ、僕だって君だって」。仕事をなじられた納棺師が叫ぶシーンにハッとさせられる。納棺師は死者の体を丁寧にふき、美しく化粧を施して棺(ひつぎ)に納める。家族との別れに立ち会い、あの世へと旅立たせる仕事である。滝田洋二郎監督が優しく細やかに「納棺」という日本古来の儀式を映像にして見せてくれる。

主人公はチェロ奏者だったが、オーケストラが解散となり、職を失って故郷の山形に妻(広末涼子)と2人で帰る。職を探して採用されたのが納棺の仕事。初めは妻にも言えなかったが、次第に「おくりびと」の仕事に愛情と誇りを持ち始める。主演の本木雅弘と社長役の山崎努の心を込めた演技が見もので、納棺の手さばきの美しさには感動させられる。

 本年度モントリオール映画祭でグランプリを受賞。第81回アカデミー外国映画賞の日本代表作品にも推された。(2008年9月25日・林田)

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