アース
動物生態通し環境問題訴え
誕生して46億年になる地球に生きる生物たちの姿をリアルにとらえたドキュメンタリー。海洋ドキュメンタリー「ディープ・ブルー」のスタッフが再結集した作品で、驚くべき映像の数々に目を見張らされる。
北半球で暮らすホッキョクグマ。氷が薄くて餌を捕るのに困り、自分より体が大きいぐらいのセイウチを襲わざるを得なくなり、返り討ちに遭う。南半球のアフリカ象も干ばつで大地が乾き、水を求める長旅を強いられる。しかも夜目が利かないので夜、ライオンの群れに襲われる悲劇が起こる。ショッキングな場面が連打されるが、動物たちに降りかかる災難がすべて地球温暖化が原因であることを思うとき、慄然とさせられる。
だが、「まだ間に合うのです」と映画は語りかける。温暖化防止へ向けて何をすべきか。私たち観客の環境問題への意識も高めてくれる作品だ。吹き替え版のナレーターは渡辺謙。(2008年1月24日・小野)