きみの友だち
重松清原作を優しく映画化
「たとえいなくなったとしても、一生忘れない友だちが、一人、いればいい」。フリースクールでボランティアをしている恵美(石橋杏奈)は当然のようにそう言う。足に障害がある恵美と病気で体の弱い由香(北浦愛)。映画は彼女らをめぐる五つのエピソードを描く。
友だちって何だろう?気が合う人? 楽しい人? いいや、違う。ただ一緒にいたいと思える人。気が合わなくても、顔を見ればけんかばかりでも、それでも側にいたいと思える人。重松清原作のこの映画は力強く優しく、傷ついた子どもたちに寄り添う。監督は「ヴァイブレータ」の廣木隆一。
大人ですらお礼や愛情表現までをメールで伝える昨今。大切な忘れものをしてはいないか? 誰かと傷つけ合い、情けなくていいから向かい合ってみよう。そこから得られるものは大きな力になる。この作品を見た後は、きっと友だちに会いたくなる。(2008年10月30日・手塚)