イースタン・プロミス
緊張連続するバイオレンス
ロシアン・マフィア「法の泥棒」と呼ばれる犯罪組織に深くかかわりを持ってしまったアンナ。彼女はロンドンの病院で助産師として働いている。そこへ身元不明のロシア人少女が運び込まれ、少女は子どもを出産した後、息を引き取る。
ロシア語で書かれた遺品の日記から、アンナは女の子の身元を捜し、ロシアン・マフィアにたどり着く。そこで「運転手」と名乗る男ニコライに出会う。恐怖と優しさを併せ持つニコライにアンナは引かれていく。ニコライはただの運転手なのか?
デビッド・クローネンバーグ監督が前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続いて撮ったバイオレンス映画。ニコライ役のヴィゴ・モーテンセンがサウナで二人の男から襲われる場面はリアルですさまじい迫力だ。アンナにはナオミ・ワッツ。緊張の連続のドラマである。タイトルは東欧組織による人身売買契約を意味する。(2008年11月27日・林田)