ハッピーフライト
航空関係者の緊迫した連携
ヒット作「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督作品。飛行機にまつわる軽い青春映画だろうと思って見たら、予想以上に面白かった。巨大国際空港のさまざまな部署で働く人々にスポットを当て、ホノルルへ向かうジャンボ機のトラブルとスタッフの緊迫した連携を、ユーモアを交えて描いている。
飛行機が大好きという矢口監督が内外の航空関係者百人以上にインタビューをして、脚本も自身で書いたことが大成功の理由だろう。これほど多くの人々を登場させたにしては、うまくまとめて無駄がない。
機長に時任三郎、副操縦士に田辺誠一、国際線は初めての客室乗務員に綾瀬はるか。ほかに地上スタッフ、管制官、整備士、バードパトロールなど乗客も含めて全員が主役と言っても良いほど細部を綿密に描いている。製作には全日空が全面協力したという。大いに勉強になった作品である。(2008年12月4日・林田)