It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

ブタがいた教室

真剣に考える子供たちの姿

「この豚を育てて、みんなで食べよう」。ある六年二組のホームルームでの出来事。発言した先生(妻夫木聡)の腕の中では育てられ、食べられる予定のピンクの子豚がもがいている。先生には豚を育てて食べることで命の大切さを学ぶという筋書きがある。初めは驚いた子供たちだが、先生を置き去りにして子豚にPちゃんと名前をつけ、家を作り、世話をする。やがて「Pちゃんを食べるのは嫌だ」と言いだすグループが出てくる…。

子供たちは「食べる」ということについて真剣な表情で、時に涙を浮かべ、時に信念を持って意見を発表し合う。つかみ合いのけんかもする。話し合いは結論が出ないまま繰り返され、映画の中で半年にも及ぶ。卒業まで残り一週間を切った。さあどうする? 真剣に考え、話し合い、責任を懸けて結論を出す。それはスリリングこの上ない人生の一大事だ。監督は宮崎ロケをした映画「棒たおし!」の前田哲。(2008年12月25日・加賀舞)

TOP