初恋

吸血鬼と少女　禁断の恋描く

全米ベストセラー小説の映画化。母親の再婚で父親と田舎町に引っ越してきたベラ（クリステン・スチュワート）。彼女は転入した高校で不思議なムードを持つ美男子エドワード（ロバート・パティンソン）と出会い、恋に落ちる。だが、彼はバンパイア（吸血鬼）だった。果たして二人の禁断の恋の行方はどうなるのか。

バンパイアが血を吸う行為には性的な意味合いが込められている。本作ではそれがティーンエージャーのラブストーリーとしてストレートに、かつデリケートに描き出されている。これには女性監督キャサリン・ハードウィックの起用が功を奏しているだろう。

好感を持って見られる佳編だが、驚くのは明らかに続編を製作する気構えで作られていること。原作は4巻（翻訳版は13巻）出ていて、すべてを映像化するつもりか。一番の吸血鬼はヒット企画を連作し、お客の金を吸い上げるハリウッドの映画会社なのかもしれない。（2009年4月23日・小野）