ノウイング
大惨事を予言悲観的な未来
小学校の校庭に埋められたタイムカプセル。50年後、それが掘り起こされた。宇宙物理学者のジョン(ニコラス・ケイジ)は、息子がその中から持ち帰ってきた一枚の紙に不可思議な数字の羅列を目にする。それらはあらゆる大惨事の日付、場所、犠牲者数を暗示したものだった。そのことを発見したジョンは、未来にも待ち受けている幾多の大惨事を未然に防げないかと奔走するうち、近未来、地球が破滅する恐ろしい事実を知る。
映画のラストシーンだけ先に言うと、1本の木に向かって少年と少女が歩んでいく場面で終わる。だが、これが明るい終わり方と言えるのだろうか? 「アイ、ロボット」のアレックス・プロヤス監督ら作り手がかくも人間にペシミスティック(悲観的)になっていようとは想像もしていなかった。監督の演出の巧みさにぐいぐい引きつけられるが、面白うて、やがて悲しきディザスター・ムービーである。(2009年7月30日・小野)