カイジ 人生逆転ゲーム
知恵と勇気で勝ち残る道を
福本伸行原作の人気コミックの映画化。職に就かず、当てのない生活を送っている「負け組」の青年カイジ(藤原竜也)が主人公である。
カイジは友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまう。困窮する彼は船上で借金を帳消しにできるギャンブル大会が催されることを知らされ、命懸けのギャンブルに挑む。カイジは勝ち残り、人生の「勝者」になれるのか。
ギャンブルにはカードゲーム以外に高層ビル間の「鉄骨渡り」もあるが、高所であんなに長話ができるのか。終盤、頭脳に秀でた敵役の利根川(香川照之)が、あれしきのトリックに引っ掛かるものなのか。俳優陣も演技過剰で、ツッコミ所は多い。だが、一人の人間が知恵と勇気を振り絞って物事に当たれば、勝ち残る道が開けることを本作は強く訴え掛ける。見ていてファイトがわいてくるエンターテインメントだ。監督は佐藤東弥。(2009年10月22日・小野)