南極料理人
好感が持てる堺雅人の演技
南極観測に選ばれた8人の隊員に毎日食事を作る「南極料理人」。彼を演じるのは演技派俳優として、今最も注目されている宮崎市出身の堺雅人である。スターの要素を育みながら、この宮崎で高校卒業までの18年間を過ごしたすてきな彼に同じ県民として誇りを感じる。
ウイルスさえも存在しないという極寒の地南極で、1年半もの間、寒さと闘い、孤独と闘いながら観測を続ける隊員たち。彼らのために料理を作った西村淳のエッセイ「面白南極料理人」から生まれた映画である。堺雅人の演技はごく自然で穏やかで好感が持てる。
朝昼晩と出される料理のなんとおいしそうなことか。家を守ってくれている家族を思う隊員たち。ひとり独身の南極観測隊員にはちょっぴりすてきなシーンが最後に用意されていて胸が熱くなる。
沖田修一監督のまじめでコミカルで寒い中のホットなお話。お料理ならぬ俳優堺雅人を私たちは味わいましょう。(2009年11月12日・林田)