クリスマス・キャロル
古典的名作を最新の技術で
俳優の演技をデジタル化して取り込むパフォーマンス・キャプチャーと3D技術を駆使し、ディケンズの古典的名作を映画化。監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス。主役など7役をジム・キャリーがこなす。
19世紀半ばのロンドン。金貸しのスクルージはケチで金もうけにしか興味がない。クリスマスイブの夜、3人の精霊が訪れ、過去・現在・未来のクリスマスを見せる時空の旅に連れ出す。未来には孤独に死んでいく哀れな男の姿があった。
人々でにぎわう雪のロンドンを、吹き抜ける風のような視点で眺める視覚効果は抜群だ。コンピューターグラフィックスの表現力が素晴らしく、喜びや悲しみ、絶望などの細かい表情をまるで絵画のような温かみをもって描き出す。スクルージに起きた一夜の奇跡はあらためて人生の在り方を教えてくれる。普遍的だからこそ何年たっても多くの人に愛される物語なのだろう。(2009年12月10日・のだ)