ワールド・オブ・ライズ

ディカプリオ会心の演技

題名の通りうそからうその情報を流し、上層部の意見も聞かずに強引な戦略でテロと戦う米中央情報局（ＣＩＡ）の捜査官フェリス。フェリスに指示を与えるエリート捜査官ホフマン。2人の作戦は危険な現場で動く者と安全な場所で指示を与える者との違いで混乱を伴う。ＣＩＡとイスラムのテロ組織との激しい戦いは爆発から爆発と息つく暇もない。これはリドリー・スコット監督ならではのアクション映画なんだと気づかされるのである。

フェリスにふんして大活躍のレオナルド・ディカプリオがすっかり大人の役者になって会心の演技で観客を魅了する。拷問されるシーンもリアルである。イラクからワシントンへ、そしてドバイへと目まぐるしく駆けめぐるカメラが緊張感を盛り上げる。アラブの美しい看護士アイシャとの出会いは心が和むが、フェリスは彼女と語り合う時間もない。果たしてどちらがこのだまし合いに勝つのか。（2009年1月29日・林田）