感染列島

猛威を振るう新型ウイルス

寒くて流感には注意したいシーズンだが、もし日本に新型ウイルスが上陸したら？　これはその「ｉｆ（もしも）」の世界を描いた映画である。

ある都市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。直後、近くの市立病院にこれまで類例のない感染症状の急患が運び込まれる。患者は間もなく死亡し、院内感染も広がっていく。救急救命医の松岡（妻夫木聡）は患者への対応に追われるが、果たして鳥が感染源なのか。そして有効な治療法は見いだせるのか。

全国にまん延していくウイルスの猛威を食い止めようと必死になる医師の役を妻夫木が好演し、医療シーンは臨場感たっぷり。メディカルオフィサー役の檀れいと、その道の権威でウイルスとの「共生」を説く大学教授に扮する藤竜也も印象に残る。

監督と脚本は瀬々敬久。いつ降り掛かってもおかしくない状況を想定し、危機管理にさまざまな警鐘を鳴らしたパニック映画である。（2009年2月5日・小野）