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シネマ1987online

007 慰めの報酬

アクションに迫力と臨場感

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる新007シリーズの第2弾。「チョコレート」「ネバーランド」のマーク・フォースター監督が初のアクション映画に挑む。前作「カジノ・ロワイヤル」の一時間後から始まるというシリーズ中異例の続編だ。

前作で愛する女性を死に追いやられたボンドは復しゅう心にかられながらも、情報部員としての使命を全うすべく悪の組織に立ち向かう。利益を追求する上で、ことの善悪が簡単に揺らいでゆく現代において、己の中にある確固たる良心と信念に突き動かされるかのように、悪に挑むボンドの姿を描く。

体を張ったアクションシーンは前作をしのぐ迫力。陸・空・海で展開される追跡劇は臨場感にあふれ、ボンドの動きを体感できるかのようだ。強じんな肉体も戦えば傷つき、非情なはずの心は愛する人の死に苦悩する。無敵の歴代007とはひと味違うヒーローの今後が楽しみだ。(2009年2月19日・のだ)

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