のだめカンタービレ 最終楽章 前編
クラシックのファンも満足
原作は二ノ宮知子の人気コミック。テレビドラマ化され大反響を呼んだ。今回の映画はクラシックファンを満足させるに十分な出来で、クラシックコンサートの生演奏を本場ヨーロッパで聴いているような雰囲気。映画化の意義は十分にある。
プロのオーケストラを前に常任指揮者として指揮する千秋真一(玉木宏)のカッコ良さは「よくぞここまで頑張ってくれた」と言うしかない。特に「チャイコフスキーの序曲1812年」は素晴らしい。黒髪の貴公子と呼ばれる若き日本人指揮者の迫力ある演奏には涙がほおを伝わる。しかし物語は、のだめ(上野樹里)の怪演で思いっきりコメディーである。
千秋先輩を思いながら、のだめが奏でる「トルコ行進曲」もアニメが飛び出して楽しい。二人はこれからどうなるのか、物語は唐突に後編への期待を残して終わる。4月公開の後編が待ち遠しい。監督は武内英樹。(2010年1月7日・林田)