のだめカンタービレ 最終楽章 後編
前編と異なり苦悩と迷いも
コミック、テレビドラマ、映画前編と人気を維持しながらファンの熱い期待に応えて映画は最終楽章・後編を迎えた。前編は鳴り響く華麗なオーケストラに心奪われた。後編はのだめと千秋の恋愛ドラマにやきもきさせられる。
千秋の後を追いかけて来たのだめだったが、今回はピアノへの迷い、千秋への嫉妬など苦悩が描かれ、前編とは趣が異なる。千秋も今までの身勝手な彼ではない。真剣にのだめに向き合う千秋の優しさが若いファンの涙を誘うだろう。
コミカルなクラシック音楽映画の枠組みから少し離れて、「純愛ラブストーリー」としても十分見応えがある。
のだめを演じる上野樹里、千秋を演じる玉木宏、ともに好演である。監督は前編の武内英樹から川村泰祐に代わった。ハッピーエンドで締めくくられるが、果たしてこれで本当に終わるのだろうか? まだまだ二人を見つめていきたい気持ちにさせられる。(2010年5月20日・林田)