バグダッド・カフェ

砂漠のはずれにある寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」を舞台に、女主人ブレンダ(CCH・パウンダー)と、女性客ジャスミン(マリエンネ・ゼーゲブレヒト)の友情を描く。

家族や客にいつもイライラし、殺伐とした日々を過ごすブレンダ。ある日、風変わりなドイツ女性ジャスミンが現れ、モーテルに居ついてしまう。いつしか二人は心を通わせ、砂漠のように乾いていたブレンダの心は少しずつ潤っていく。

ブレンダが優しさを取り戻していく過程が素晴らしい。絵画のような映像美と、アカデミー賞にノミネートされた主題歌「コーリング・ユー」の切ない歌声が物語を存分に引き立たせ、独特な魅力を放つ作品へと昇華させている。

監督はパーシー・アドロン。1989年公開済みの作品だが、2008年に再編集されたニュー・ディレクターズ・カット版が3日開幕する宮崎映画祭のオープニングを飾る。(2010年7月1日・のだ)