シュアリー・サムデイ
情熱とセンス 小栗旬監督作
俳優小栗旬の初監督作品。「キサラギ」で共演した小出恵介が主演している。
中止になった文化祭の復活のためハッタリの学校爆破をもくろんだ喜志巧(小出恵介)ら高校生5人。だが手違いで本当に爆発し、5人は退学させられてしまう。3年後、うだつのあがらない日々を送っていた巧たちの前にやくざに追われた仲間の一人が現れ、直後、組長に「3億円と女を持ってこないと皆殺し」と言われ、危機一髪。巧たちは助かるのか。
気恥ずかしくなるくらい「若さ」の出た映画だ。内容しかり、あらゆる映像技法を使った点もしかり。だがあしざまに言う気になれないのは、監督の映画にかける情熱と、センスの良さが感じられるからである。噴水の場面がいい。巧の少年時代の回想も情感があり、小西真奈美や吉田鋼太郎の起用もぴたり。いつかきっと(シュアリー・サムデイ)小栗旬は第一級の監督になるのではと思わせる。(2010年8月12日・小野)