借りぐらしのアリエッティ

スタジオジブリ製作のファンタジー・アニメ。「崖の上のポニョ」などで原画を担当した米林宏昌が初監督した。原作は1952年に出版された英国児童文学「床下の小人たち」。

14歳の少女アリエッティは手のひらに乗るほどの小さな体の種族。両親と3人で郊外の古い屋敷の床下でひっそりと暮らしていた。ある日、病気療養のためにやってきた人間の少年・翔にその姿を見られてしまう。人間に見られたら引っ越さなくてはならないというおきてがあるのだが…。

人間たちが暮らしている部屋はアリエッティから見ると何もかもが巨大。角砂糖一つを手に入れるのに、インディ・ジョーンズのような大冒険を繰り広げる。きめ細やかな描写に心が躍った。

危険を及ぼす存在の人間に対し、恋心のような淡い気持ちを持ってしまうアリエッティが切ない。泣き虫のがんばり屋さんに勇気をもらえるさわやかな作品だ。(2010年8月19日・のだ)