十三人の刺客

傑作として知られる工藤栄一監督の集団抗争時代劇を「クローズZERO」シリーズの三池崇史監督が47年ぶりにリメーク。豪華キャストによるアクション・エンターテインメントとして生まれ変わった。

江戸時代末期、将軍・家慶の弟、明石藩主・松平斉韶(なりつぐ・稲垣吾郎)は残虐非道な行いで人々を苦しめていた。あまりの暴君ぶりに国の行く末を案じた老中・土井利位(としつら・平幹二朗)は御目付・島田新左衛門(役所広司)に斉韶暗殺の密命を下す。

絶対的権力を持つ斉韶に命がけで歯向かう12人の侍たち。そして13人目の刺客は何にも縛られず自由に生きる山の男。剣の達人もいればへっぴり腰の若者もいる。生きて帰れないことは承知の上で、300を超える敵に挑むラスト50分の死闘は圧巻だ。

自らの信念をまっとうしようとする男たちのさまざまな生きざまが描かれた骨太な物語に仕上がっている。(2010年10月14日・のだ)