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シネマ1987online

闇の列車、光の旅

想像つかない中南米の現実

2009年度のサンダンス映画祭で監督賞と撮影監督賞を受賞した。監督は日系アメリカ人のキャリー・ジョージ・フクナガ。

貧しい中南米から豊かな北米を目指す不法移民。ホンジュラスから父親と共にアメリカを目指す少女サイラ(パウリーナ・ガイタン)と、メキシコのギャングの少年カスペル(エドガー・フロレス)がアメリカへ向かって走る貨車の屋根で偶然に出会ったことから、二つの物語が一つに結びつく。

映画は機関車のごう音やばい煙とともにスピードを増し、目を覆いたくなる展開が始まる。移民から金を巻き上げるギャングたち。カスペルは見かねてギャングのリーダーを殺してしまう。救ったサイラにカスペルは信頼され慕われるが、追っ手が迫ってくる。

われわれ日本人には想像もつかない過酷なストーリーだ。自分の国を捨てなければ生きていけない人々の現実を如実に物語っている。(2010年11月4日・林田)

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