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シネマ1987online

ラブリーボーン

天国に行った少女の愛描く

「私は14歳で殺された」。一人の少女の衝撃的なモノローグで語り出される異色のファンタジー。「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のピーター・ジャクソン監督の最新作である。

1969年12月6日、少女スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は恋こがれている男子にデートに誘われ天にも昇る気分でいた。だが彼女は学校の帰り道で殺されてしまう。

主人公が序盤で死んで話が続くのかという心配はご無用。初恋の相手とキスもできず亡くなった少女が天国の入り口で家族や恋人のことを思い続ける「愛」のドラマが繊細に紡ぎ出される。

壊れるボトルシップなど天国でのイマジネーションあふれる映像がすごい。終盤の犯人宅でのサスペンスには手に汗握る。「乙女の祈り」以降のジャクソン監督の良さがすべて出た一作で、最後に少女が恋人の前に現れる場面は涙なしには見られません。ハンカチのご用意を。(2010年2月4日・小野)

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