ロビンフッド
見事な時代色 合戦にも迫力
シャーウッドの森に住み、弓の名手である伝説の英雄ロビン・フッドは、エロール・フリンやケビン・コスナーら多くの俳優によって演じられてきた。今回、ラッセル・クロウがそこに加わり、知力のある勇敢な英雄像を見せている。
12世紀、英国王リチャード一世率いる十字軍の遠征に加わったロビン(ラッセル・クロウ)。王の急死で混乱の最中、騎士ロバートが闇討ちされる場面に遭遇し、瀕死(ひんし)の騎士から祖国のサー・ウォルターにあてた剣を託される。ロビンはロバートになりすまして帰国するが、そこには彼の運命を変える出来事が待ち構えていた。
「いかにしてロビンは森に住むようになったか」を描く作品で、時代背景を調べ抜いた脚本が秀逸。時代色が見事に再現され、合戦場面も臨場感がある。そんな中で「指導者」の資質を問い掛ける。リドリー・スコット監督の名采配に舌を巻くスペクタクルの一級品だ。(2010年12月30日・小野)