サロゲート
ロボット普及 近未来のSF
ブルース・ウィリス主演のSFサスペンス・アクション映画。ウィリスが金髪で、肌つやはいいが能面のようなマスクで初登場する場面にはニヤリとする。
実はこれは「サロゲート」という身代わりロボットで、近未来、ほとんどの人びとは自宅からロボットを遠隔操作して社会生活を代行させていた。おかげで犯罪や危険は激減し、安全な暮らしを送っていた。だが、ある日、ロボットに続いて使用者本人が死亡する事件が起きる。FBI捜査官トム・グリアー(B・ウィリス)はさっそく事件の捜査に乗り出す。
見た目は人間そっくりに振る舞うサロゲートの造形が不気味だ。思わず背筋が寒くなるこのロボットを通して、映画は過度のテクノロジー依存を批判している。ミステリー調のストーリーも面白く、89分の短い時間に内容は盛りだくさん。「ブレーキ・ダウン」(1997年)の俊英、ジョナサン・モストウ監督の秀作である。(2010年2月11日・小野)