ランウェイ☆ビート
元気をくれる主人公の姿勢
「NANA」の大谷健太郎監督の最新作。瀬戸康史、桜庭ななみら若手の注目株が出演している。
田舎から東京の高校に転校してきた溝呂木美糸(ビート=瀬戸康史)。いきなりパソコンおたくの犬田悟(ワンダ=田中圭)のいじめに遭遇する。ビートはワンダをクラス一のかっこいい男にすると宣言し、大変身させる。彼は天才デザイナーを父に持つ類いまれなセンスの持ち主だった。
才能に驚いた級友たちから文化祭のファッションショーを任せられるが、学校が廃校となるショッキングな知らせが入る。ビートは彼を恋する塚本芽衣(メイ=桜庭ななみ)とともに、ショーで生徒たちを元気づけられるのか。
「信じれば自分は変われる」とファッションで人を変えていく主人公の前向きさがいい。また彼をとり巻く級友たちが押しなべて善人なのも心地よい。震災の報道にすさんだ心を和ませ、元気を与えてくれる映画である。(2011年3月31日・小野)