英国王のスピーチ
吃音症を克服 実話の映画化
現在のエリザベス女王の父親ジョージ6世を描いた実話。国王の最大の任務はスピーチ(演説)である。しかしジョージ6世は子どものころから吃音症に悩まされていた。何千人もの聴衆の前に立つと、彼は委縮し口ごもり緊張感で何も言えず演説を途中で投げ出したりもする。
ヒトラーの台頭で危機感を持った大英帝国は威厳ある国王のスピーチを待っていた。美しく聡明(そうめい)な王妃は言語矯正の専門家ライオネルを極秘でたずねる。国王とライオネルは身分の差を超えて深い友情で結ばれていく。劣等感を克服した王の堂々たるスピーチはイギリス国民を奮い立たせ、映画はラストで最高の盛り上がりを見せる。
国王を演じるのはアカデミー主演男優賞を獲得したコリン・ファース。王妃にへレナ・ボナム=カーター、ライオネルにはジェフリー・ラッシュという演技派がそろって好演している。監督はトム・フーパー。アカデミー作品賞受賞。(2011年4月21日・林田)