ザ・ファイター
重圧打ち砕く試合場面圧巻
実在のボクサー、ミッキー・ウォードが世界チャンピオンになるまでの波乱の人生を描く。
実力もありまじめな弟ミッキー(マーク・ウォールバーグ)と、トレーナーを務める兄ディッキー(クリスチャン・ベール)。しかしディッキーはボクサーとしての過去の栄光にすがりながら麻薬におぼれる日々だった。チャンスが残り少ないことを知っているミッキーはディッキーを断ち切ることを決意する。
低所得者が多く暮らす寂れた街ローウェル。やり直したくても、この暮らしから簡単には抜け出せない。身勝手に足を引っ張る家族は厄介な存在だが、ミッキーには誰よりも自分を愛してくれていることも分かっている。
家族のきずなに対する重圧は息が詰まるよう。それを打ち砕くかのような激しい試合のシーンが圧巻だ。監督はデヴィッド・O・ラッセル。アカデミー賞でベールが助演男優賞、母親役のメリッサ・レオが助演女優賞を受賞した。(2011年5月12日・のだ)