隠された日記 母たち、娘たち
家を出た祖母 衝撃の真実
久しぶりにカナダからフランスの小さな海辺の町に帰って来たオドレイ(マリナ・ハンズ)は、医師をしている母(カトリーヌ・ドヌーブ)とそりが合わず、今は空き家となっている母の実家で2週間の休暇を過ごすことにする。
台所の戸棚の奥に50年前、何も言わずに家を出た祖母ルイーズの古い日記と写真があった。日記を読んだオドレイは祖母への思いと真実を知りたい気持ちが募り、何も話してくれない母に怒りをぶつけてしまう。会ったことのない祖母の美しさに目を奪われながら、祖母を近くに感じる孫娘。子どもを愛していた祖母がなぜ何も言わずに家を捨て去ってしまわねばならなかったのか? あまりにも悲しい衝撃の事実が明らかになる。
祖母を演じるマリ=ジョゼ・クローズの清そな美しさが、いっそうこの物語を切ないものにする。脚本・監督はジュリー・ロペス=クルヴァル。女性監督ならではの作品である。(2011年6月2日・林田)