プリンセス・トヨトミ
奇抜な原作を見事に映像化
奇想天外な展開で人気の作家・万城目学原作。映像化は難しいのではないかと思っていたが、鈴木雅之監督により見事に実現した。
東京から会計検査員松平(堤真一)が2人の部下、鳥居(綾瀬はるか)と旭ゲーンズブール(岡田将生)を従えて大阪にやって来る。不正な支出はないか、税金の無駄遣いはないかを調べるためだ。淡々と仕事をこなし、最後に残った社団法人OJO。古いビルの事務所は何かうさんくさい。携帯を忘れて取りに戻ると、その事務所は人っ子一人いないもぬけの殻となっていた。どこから突いていくか鬼の会計検査員が調べ始めるが、思いも寄らない意外な事実が浮かび上がってくる。
大阪城にまつわる数々の不思議な言い伝えは、400年前、徳川に敗れて子孫を根絶やしにされたと思われていたトヨトミの子孫へとつながっていく。何でもありの万城目文学がそのまま映像化されて面白さが味わえる娯楽作品である。(2011年6月23日・林田)