マイティ・ソー
神の世界追放 成長する戦士
浅野忠信がハリウッドデビューを飾ったことで話題の作品。シェークスピア俳優で演出家ケネス・ブラナーの監督専任作である。
神の世界アスガルドで最強の戦士ソー(クリス・ヘムズワース)は神々の王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子で次の王と目されていた。だが強過ぎて傲慢で、王の怒りに触れ、パワーと最強の武器「ムジョルニア」を奪われ、地球に追放される。荒野で目覚めたソーは女性科学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)と出会い、優しさと本当の勇気を知るが、力を失った彼のもとには凶悪な敵が次々と迫っていた。
主人公が内なる強さを得て成長していくさまがきちんと描かれ、VFX映像のアクション場面も上々。この監督にアメリカンコミックの映画化は不安だったが、「ハムレット」「王様の剣」的展開もあり、堂に入った演出ぶり。浅野忠信の演技も存在感あり。見応えある一作である。(2011年7月21日・小野)