トロン:レガシー
27年ぶりの続編 CG世界が見事
映画史上初めてコンピューターグラフィックス(CG)が使われた「トロン」(1982年)の27年ぶりの続編。「クレイジー・ハート」でアカデミー主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスが連続出演している。
ブリッジスが演じるのはデジタル界の帝王ケヴィン。彼は謎の失踪を遂げる。20年後、息子のサム(ギャレット・ヘドランド)は奇妙なメッセージに導かれ、父親が所有していたゲームセンターにたどり着く。そこでコンピューターの中の世界に足を踏み入れる。
CG映像による異世界の構築が見事だ。ブリッジスが若き日の自分自身と「共演」する趣向も楽しい。前作は作り手の発想が映像で十分に生かされていない感じがあったが、今回は内容がフィット。3Dでの制作も作品に奥行きを与えている。時代が「トロン」の世界に追い付いた、との思いを抱かせる注目作だ。監督はジョセフ・コジンスキー。(2011年1月20日・小野)