日輪の遺産
浅田次郎原作を見事に映像化
戦後生まれの作家浅田次郎が敗戦の日のある事件を小説化。そして、やはり戦後生まれの映画監督佐々部清が、その原作を見事に映像化した。日本人が忘れてはならない、凛とした美しい日本人の魂の物語である。
日本が戦争に負けると分かった8月10日、未来の日本を立て直すため軍上層部により、ある壮大な計画が極秘のうちに進められた。それは「マッカーサーらが搾取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円)の財宝を隠ぺいせよ」という祖国復興のための密命である。
任務を遂行するのは真柴少佐(堺雅人)、小泉中尉(福士誠治)、座間連隊望月曹長(中村獅童)、そしてまだ幼い20人の少女たち。「いつかこの国が生まれ変わるために」命をかけた壮絶な作戦が展開される。
戦後の繁栄を享受した私たち日本人にとっては見るべき映画だと思う。役者たちの演技から緊迫した雰囲気があふれている。(2011年9月15日・林田)