アジョシ
孤独な2人の交流に胸熱く
元祖「韓流四天王」の一人と呼ばれたウォンビン主演の最新作である。
質屋を営み寡黙に生きるテシク(ウォンビン)。訪れるのは母親にかまってもらえない少女ソミ(キム・セロン)ぐらいだ。ソミはテシクを「アジョシ(おじさん)」と呼んで慕っているが、ある日、麻薬密売事件に母親が巻き込まれたことから、犯罪組織に誘拐される。情報特殊部隊の元要員だったテシクはソミを救うべく、単身、組織に闘いを挑む。
韓国版「レオン」といえる作品だが、「母なる証明」以降、器を広げたウォンビンが名演し、新味を出している。アクションシーンもすごい。キム・セロンも「冬の小鳥」に続き天才子役ぶりを披露。孤独な二人が心を通わせていくさまには胸を熱くさせられる。
ウォンビンが初めて「笑う」シーンも忘れられない。監督はイ・ジョンボム。韓国映画の新しい一ページを開いた秀作である。(2011年10月6日・小野)