ツレがうつになりまして。
主演の2人が涙を誘う演技
描きたいものだけを描いてのんびり暮らす漫画家の晴子は、外資系企業に勤める夫をツレと呼んで甘えて暮らしている。二人は何の悩みもなく幸せな結婚生活を送っていたが、突然、ツレが「うつ病」にかかる。
「うつ病?」晴子は信じられずに大声をあげてしまう。「死にたい」と泣きだす夫。もうのんびり暮らしてはいられない。うつの夫を支えてのユニークな彼女なりの闘病生活が始まる。うつに苦しみながらも会社へ出勤しようとする夫に彼女は叫ぶ。「会社を辞めなさい。辞めないなら、離婚する」と。
晴子には宮崎あおい。ツレに堺雅人。暗くなりがちな題材だが、さわやかな二人の演技派スターが明るく、しかし切実に演じて観客の涙を誘う。
漫画家・細川貂々(てんてん)の体験を基にした原作コミックを「日輪の遺産」の佐々部清監督で映画化。佐々部監督は前作とはガラリと趣を変えて多彩ぶりを発揮している。(2011年10月20日・林田)